◎ 取引相場のない株式の評価
(相続税対策)



自社株評価 の フローチャート



【 原則的評価方式 】 → 会社の規模の判定をします

  • 従業員が100人以上の会社は、自動的に 「大会社」 となります
  • 従業員が100人未満の会社の判定は、

    (1)総資産価額(A)」 と 「従業員数(B)」→”低い方”の会社規模

    (2)上記(1)の判定結果 と 「年間の取引金額→”大きい方”の会社規模
    に該当することになります

  • 小会社の従業員基準が、「10人以下」 から 「5人以下」 になりました
  • 総資産価額は、貸倒引当金は控除せず、固定資産は償却後の簿価で




  • 上記 判定結果から、「適用される評価方式」 を確認します

    会社の規模適 用 す る 評 価 方 式
    大会社類似業種比準価額
    中会社類似業種比準価額×0.90+純資産価額×(1−0.90)
    類似業種比準価額×0.75+純資産価額×(1−0.75)
    類似業種比準価額×0.60+純資産価額×(1−0.60)
    小会社  純資産価額 
      または 
      類似業種比準価額×0.50+純資産価額×(1−0.50)
  • 大会社、中会社についても純資産価額方式をとることができます

  • いわゆる2要素がゼロ会社について、類似業種比準方式の併用が認められ、
     類似業種比準価額×0.25+純資産価額×(1−0.25)となりました




    株式の評価額を下記の 「計算式」 に基づいて算出


    ● 「純資産価額方式」 の計算式
    1株当りの
    純資産価額
    相続税評価額に
    よる純資産価額
    負債の
    合計額
    評価差額の
    法人税相当額 (※)
    発  行  済  株  式   数 (注)

    (※)相続税評価額と帳簿価額による純資産価額の差額の42%相当額
       平成24年4月1日以後の相続、遺贈、贈与から45%が → 42%に
    (注) 評価会社が自己株式を有する場合には、「発行済株式数」 から除く

    ☆ 純資産価額方式による評価の算出方法 (→)

    ☆ 自己株式を保有している場合の純資産価額の計算 (→)


    ● 「類似業種比準価額方式」 の計算式
    類似業種
    比準株価
      配 当 利 益 簿価ベース
    純資産
     斟酌率
    ×b/B3×c/Cd/D×斟酌率(※)

  • b c d は評価会社の1株当りの価額
  • B C D は類似業種の1株当りの価額

  • 斟酌率(※) : 小会社:0.5  中会社:0.6  大会社:0.7
  • 上記 計算式で < 利益比準値 >がゼロの場合でも、分母は「5」
      のまま (H20.1.1以後の相続から)  
    医療法人の場合は、分母「4」


    A;類似業種の株価 (前3ヶ月間の各月平均額及び前年平均額
      のうち、いずれか低い金額)
    B;類似業種の1株当りの年配当金額
    C;類似業種の1株当りの年利益金額
    D;類似業種の1株当りの純資産価額 (簿価純資産価額)
    ;評価会社の直前期及び直前前期における1株当りの配当金額
      の平均額
    ;評価会社の直前期以前1年間または、2年間の年平均における
      1株当りの利益金額のいずれか低い金額
    ;評価会社の直前期末における1株当りの純資産価額 (帳簿価
      額による金額

    ☆ 自己株式を保有している場合の類似業種比準価額の計算 (→)

    ☆ 比準3要素 (bcd) の算出方法他 (→)


    ◆ 配当が予想される場合の株価(評価)の修正は? (会員のみ→)



    【 特例的評価方式 】 → 配当還元方式


    1株当りの評価額その株式に係る
    年配当金額 (*)
    ×その株式の1株当りの
    資本金等の額
    10%50円

    (*) 年配当金額直近2期間の年間配当金額 ÷ 2
    発行済株式数 (注)

  • 1株当たりの年配当金額が2円50銭に満たない場合は、2円50銭
        (評価額が0になることはない)
  • (注) 1株当たりの資本金等の額を50円とした場合の発行済株式数
        評価会社が自己株式を有する場合、「発行済株式数」 から除く

    ☆ 配当還元方式を適用できる株主は?(→)



    ● 評価の方式(区分)による株価金額の違い

    一般的には、
     評  価  計 算  方  式 株価金額大)←(株価金額小
    「原則的評価」 と 「特例的評価」原則的評価額 > 特例的評価額
    「一般の評価会社」 と 「特定の評価会社」特定の評価会社 > 一般の評価会社
    「類似業種比準価額」 と 「純資産価額」純資産価額 > 類似業種比準価額
    「会社の規模」と 株価小会社 > 中会社 > 大会社


    従って、相続対策としての 「株価評価引下げ」 としては
  • 特例的評価方式(配当還元方式)となるように
  • 類似業種比準価額方式(3要素が0はダメ)が使えるように
  • 会社規模(総資産・従業員数・取引金額)が大きくなるように
  •           できないかを考え、

    次に、「類似業種比準価額方式」 が使えるとしても、
  • 中会社にも大・中・小があり、上位ランクにできないか?
  • その計算式のスキーム(要素)から、株価引下げができないか?
  •           を考えていきます。


    ☆ 非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度 (→)



    ≪財産の譲渡時の価額に戻る≫

    ≪自社株評価に戻る≫  ≪出資持分の定めある医療法人に戻る≫

    ≪事業承継に戻る≫  ≪非上場株式の適正な取引価額に戻る≫  ≪生活に戻る≫



    計算式からわかるように、自社株の評価は 毎年の決算数値を基に計算しますので、
    毎年 評価金額が変わってきます。
     常に、最新の 自社の株価評価金額を把握しておくことが大切です。




    mail: hy1950@manekineko.ne.jp
    tel: 06-6681-2144  税理士 服部行男
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